ハリネズミお見合い大作戦 その後

ハリネズミのお見合いですが,上手くいかなかったのでいったん中断です。メスの方が気が強くて(というよりオスがかなりのヘタレで……),餌皿に近寄らせてもらえず隅で小さくなっていたので再隔離しました。マウスなどに比べて飼育歴の浅いハリネズミですから,個体差もかなりあるようです。しっかり休ませて雌雄の組み合わせを変えて再挑戦です。

メスのプレッシャーから解放されて(?),無防備な姿で眠るオスハリネズミ

二階堂研の主な実験動物はハリネズミではなく,シクリッドという魚です。こちらも進展があったので少しだけ紹介します。

コロナ自粛中に大切に世話をしていたシクリッドの異種間交雑が成功し,子供がすくすくと育っています。1枚目の写真は子供で,2枚目は母親です。まだ成魚の特徴を示すまで育っていませんが,あと一月くらいで兆候が見えるようになるのではないかと思います。どんな表現型が見られるのか楽しみです。

1回の産卵では心もとないので再度の繁殖を試みていますが,母親の気性が日増しに荒くなり,掛け合わせ候補のオスを片っ端から攻撃するのでオスを隔離中です(写真手前左の黒い網が隔離ネット)。ハリネズミ同様,どうも二階堂研は女性が強いラボになりつつあるようです。

次の写真は逆に,オスが強くて隔離せざるを得なかったマラウィ湖産シクリッド。手前の青い個体がオスで,性成熟するとオスのみこのような派手な体色を呈し攻撃性が高まります。本湖のシクリッドはメタリックな青色を持つ種が非常に多いのですが,二階堂研の主な実験種であるヴィクトリア湖産シクリッドではこのような体色の種はほぼ見られません。これは湖の水質によるものであると推測されています。マラウィ湖は非常に透明度が高く(潜水調査した人の話では「沖縄の海より透明」だそう),そのような場所では青い波長の光が残りやすいため,視認性の高い青色を持った種が多くなった,と言われています。一方でヴィクトリア湖は伸ばした手の先が見えるか見えないか,という濁った湖です。このような環境では赤い波長の光が残りやすく,実際赤い体色の配置が特徴的な種が多く見られます。

こちらがヴィクトリア湖産シクリッドです。