2018-01-22 調査再開

 日曜はオフに充て、すっかりリフレッシュして月曜の調査に向かいます。今日はNyegezi湾のアシ帯で再びアフリカカラシンを狙います。また、前回空振りした2種を狙うために、従来の刺網だけでなく小型張網も試してみることにしました。岸から沖に向かって絞り込むように網を広げ、迷い込んだ魚を閉じ込める仕組みです。以前の調査で持ち込み、使う機会がなかったのでお蔵入りしていた品が倉庫の片隅で埃をかぶっていたのを引っ張り出してみました。
 最初にアフリカカラシンを再度採集するために前々回と同じ場所に刺網を2枚設置。次に、少し奥に回り込んで、石組みでできた水産局の桟橋に沿って刺網をもう1枚。こちらはシクリッド目当てです。その後で、川の河口に向けて口を広げるように張網を2枚設置。2時間ほど放置して回収に向かいます。

 アシ帯の網からは期待通りアフリカカラシンを回収。さて次に桟橋付近の網の回収を始めたところ、初っ端から鈴なりのシクリッド達。どうやら、ものすごく魚影の濃い場所だったようです。網を引っ張ると、ひっきりなしにシクリッドが現れます。予想外の成果に喜ぶのもつかの間、あまりに数が多すぎてバケツがシクリッドまみれになるのに「これはやりすぎたか……」と不安がよぎります。結果として、回収に時間をかけすぎたためにほぼ全てのシクリッドはバケツの中で死亡してしまい、珍しい種も含まれていたのに状態の良い写真を撮ることができませんでした。こういう場合、1匹1匹を網から外すをの途中で断念し、魚が掛かったままの網を回収してさっさと引き上げて撮影を始めるのが最善手だったのですが、その辺の勘所がまだ取り戻せてないようです。一度TAFIRIに戻り、張網の回収はMhoja達に任せて撮影にかかります。撮影が一通り終わった頃に帰ってきましたが、張網に掛かっていたのは極小サイズのシクリッド若魚と謎のカダヤシ科が数匹だけ。

 シクリッドの採集成果はイマイチに終わりましたが、アフリカカラシンは無事目標数に達したので及第点といったところでしょうか。次に期待です。

超レア種、Haplochromis microdon(?) 以前の調査で、1万以上のシクリッドを集めた中でたった2個体しか確認できなかった種です。先日紹介したHaplochromis sp. Matumbi hunter と同じLipochromisグループに属し「稚魚食者」と呼ばれる非常に特異な食性を持ったシクリッドです。生鮮色が失われたのが残念でなりません
Haplochromis xenognathus上あごが下あごより突出し、上顎歯が下顎歯に被さるという特異な形態を持ったシクリッドです。砂泥地から砂泥地と岩場の境界に多数生息しています
張網に入っていた極小のカダヤシ科。このグループの分類はまったく知識がないのですが……誰か分かる人いますか?

2018-01-23 標本観察,レア種再び