2018-01-19 Shadi遠征

 今日は、思い切り足を延ばしMwanza Gulf南部のShadiポイントに向かう事にしました。Nyegezi Rockから南に約6㎞、ボートで50分ほどの距離になります。ここはNyashishi川という比較的大きな川の河口にあたり、シクリッド以外の標的種の多くがこういった環境に生息しているはずなのです。先日のサンプリングでアフリカカラシンは多く採れましたが、その他の標的種であるシノドンティス(Synodontis)とトゲウナギ(Mastacembelus)は全く採れなかったので、これらの採集を目的として網を張りました。
 Nyegezi Rock、Kilimo Islandを通り抜けて一路南へ進みます。1時間弱かけてようやくShadiに到着、早速Nyashishi川河口を目指します。河口部はホテイアオイに覆いつくされ、水深3mから先に進めません。実はこのホテイアオイ、外部から持ち込まれて大繁殖した「侵略的外来種」の1種です。浮遊性植物(浮き草)なので風に流されて各地に移動し、競争相手のいない水辺で大繁殖しています。船着き場を覆いつくして船が出入りできなくなったり、植物プランクトンの光合成を阻害して食物連鎖のバランスを崩したりと、大きな被害を与えているのですが、まさかこんな形で我々が被害を受けるとは思ってもみませんでした。

 これ以上上流に進むのはあきらめ、ホテイアオイの際やパピルス帯で網を設置します。さて、その成果ですが……シノドンティス2個体にトゲウナギ1個体という大変残念なものでした。シクリッドも、さして珍しい種も見当たらず。もう1回網を落とそうかどうしようか、と迷っているとやにわに灰色の雲が空を覆いつくしてスコールの気配です。慌てて荷物をしまって帰路に着きましたしましたが、道中雨と向かい風に捕まり、レインコートの隙間から入り込む雨水と水しぶきでずぶ濡れになりました。踏んだり蹴ったりの一日となりましたが、まあこんな日もあります。近日中にリベンジを誓って帰還しました。

2個体だけ網にかかった、Synodontis victoriae。背びれと胸びれにはノコギリのようなギザギザがついた棘があります。網はボロボロになるわ手が傷だらけになるわで大変扱いにくい魚です
たった1個体だけ採取されたトゲウナギMastacembelus frenatus。ウナギと名前に付いていますが、二ホンウナギとは全く異なる系統の魚です。写真では分かりませんが、背びれに短い棘(きょく)が多数並ぶのが名称の由来でしょう。釣り上げたMhojaのドヤ顔がすごかったですが、それだけの価値がある釣果でした
雨雲がやってきたので慌ててレインコートを着込みます。この後、無防備な下半身を水しぶきが襲ってずぶ濡れになりました

2018-01-20 情報収集、旧友との再会