マラウイ大学との共同研究

10月12日から25日まで,マラウイ大学チャンセラー校にて環境DNAの実験を行いました。これは,愛媛大学とマラウイ大学の共同プロジェクト「マラウイ湖国立公園における統合自然資源管理に基づく持続可能な地域開発モデル構築」の一環として実施され,数百種に上る豊かな生物多様性を誇るマラウイ湖に生息する魚種を環境水から検出するという試みです。現地研究者との情報交換や次世代シーケンサーのデモンストレーションを目的とし,マラウイ大学に新設されたDNAラボにて1週間,現地研究者や技官,学生さんと頭を突き合わせて一連の実験を行いました。

我々としても次世代シーケンサーであるIllumina社のiSeqは初めて触れる機種であり,ワクワクしながらの実験となりました。残念ながら停電などのトラブルで最終工程であるDNA配列決定まで進むことはできませんでしたが,それでも現地で環境DNAの解析を行う事の実現可能性に関して有望なデータを得る事ができ,大変有意義な調査となりました。

調査の最終日にはマラウイ湖湖畔のチェンべにて,現地での水産資源利用やシクリッドの生息環境に関する視察も行いました。マラウイ湖に生息するシクリッドは世界有数の種多様性と淡水魚としては例を見ないカラフルな色彩で有名ですが,現地で生のシクリッドを観察する事ができ,非常に素晴らしい体験を積むことができました。この経験を本業であるヴィクトリアシクリッドの研究にも生かしたいと思います。