タンザニア・フィールドレポート2023 その9

早速ヒアリング開始です。まずはTAFIRIムワンザ支所から最も近場に位置するSweyaのBMUへの視察を行いました。ムワンザ調査のパートナーを引き受けて下さったのは,TAFIRIの若手研究員で社会学を専攻しているKalwa Omaryさん。これからあと2週間ほど帯同いてもらい,スワヒリ語の通訳やムワンザ湾近郊BMUの実情についてアドバイスを頂きました。

Sweyaは,南北に細長く広がるムワンザ湾の中央部東岸のNyegezi湾に位置しています。湾内に生息する魚はシクリッド類が多く,産業重要種であるティラピアも生息していますがさほど魚影は濃くありません。主な漁獲物はダガー(ヴィクトリア湖沿岸域では,本湖固有種のコイ科小魚を指します)で,湾内ではあまり獲れないためNyegezi湾を出て沖合で灯火漁を行う漁師が多いそうです。モーターボートがあればもっと沖にでて沢山ダガーを採集できるんだが手漕ぎボートではあまり遠出ができない,というのが不満点との事でした。本BMUの特色は水揚場に面した巨大な一枚岩。漁師からダガーを買い上げた加工業者が岩場を借りてダガーの干し場に使用します。砂が付かないため,家畜の餌でなく人の食用として高値で売れるそうです。後日早朝に水揚げ風景を観察させてもらいましたが,業者の女性が漁師から買い上げたダガーをテキパキと岩場に撒いていました。誰がどの場所を干し場として使うのか,一人当たりどの程度の面積を使用して良いのか,など色々取り決めがあるようで,干し場では時々業者同士が干し場を巡って口論する様も見られました。