水槽増設計画

新しいプロジェクトが始まったり,既存の研究テーマが発展して新しい実験系が立ち上がったりと,ラボの研究活動が活性化しています。とても喜ばしい事なのですが,テーマが広がるにつれ必要な備品が増え,スペースの確保に四苦八苦するのは研究室のありがちな風景です。

目下の悩みはゼブラフィッシュの系統管理。昨年度末から複数の遺伝子組換系統が作出され,その維持に大量の水槽が必要になりました(遺伝子型の揃った系統を固定するため2世代以上の掛け合わせと優良個体の選抜が必要なので,一系統毎に複数の水槽が必要になります)。今年度に入ってから徐々に増えていく水槽の置き場所に四苦八苦しており,6月以降はさながらテトリスのように小さな隙間を見つけては水槽をねじ込む日々でした。これはさすがに厳しいという事で,思い切って水槽システムの増設に踏み切りました。協議の末,目を付けたのは既存の60㎝水槽の上部スペース。「横がダメなら縦に積め」という訳ですね。結局やってる事はテトリスです。

水槽の重量に耐えられる丈夫なアングル棚を購入し,その上に特注の水受けトレイを設置。隣の水槽システムから給水用の塩ビ管を分岐し,水槽一つ一つに水を供給します。個別の水槽からこぼれた水はトレイに貯まり,トレイの排水口から溢れた水が塩ビ管を通してシステムの濾過槽に排出されるという仕組みです。アングル棚とトレイ以外は全て手作り。数日間の工作を経て,DIY感あふれる水槽システムが誕生しました。この規模の水槽システムを業者に発注したら軽く100万を超えますから,相当経費を節約できたと自負しております。

アカデミックの欠片もない記事ですが,これも研究室生活の大事な一部という事で,紹介させていただきました。よーく考えよー,お金はだいじだよー(by 〇フラック)